ムスカリの小径
デイジーと妹のローズの通う学校は小高い丘の上です。
学校からの帰り道、菜の花の畑を過ぎたころ
妹のローズが泣き出しました。
「どうしたの。」
「もう来月からはエリン先生に会えなくなるのよね。」
「先生は隣の街にお嫁に行くのよ。泣いてないでお祝いを言ってあげなくちゃ。」
「うん。」
ローズは振り返って学校のほうを見ました。菜の花の明るい黄色がローズを慰めてくれます。
「そうだローズ、淋しい時は手紙を出したらどうかしら。
どうしても逢いたくなったらパパとママに頼んで
逢いに連れて行ってもらいましょうよ。」
二人はムスカリの咲く小径に来ました。
「見て、昨日よりお花が増えてる。これで先生への花束を作らない?」
二人はほんの少しのムスカリを摘んで帰りました。
ご覧いただきありがとうございました。
アンミュゲ アンジュ